インプラント治療成功の基準
インプラントの基本知識⑩
【簡易説明】
インプラント治療を受けることで今までの歯の悩みから解放されることが出来ます。
ですが、このように治療がうまくいったという感覚は患者様、歯科医師との間でもずれが出ることもあります。
そこで、主観的、客観的な世界共通の成功の基準を定めるため何度も話し合いが行われています。
【専門的視野での解説】
1978年のNHIハーバード会議以来、時代とともに成功基準も変更されてきましたが、現在は1998年のトロント会議での基準が支持されています。
現在のインプラントの成功の基準(Zarb と Albrektsson 1998)
●インプラントは、患者と歯科医師の両者が満足する機能的、審美的な上部構造をよく支持している。
●インプラントに起因する痛み、不快感、知覚の変化、感染の兆候などがない。
●臨床的に診査する時、個々の連結されていないインプラントは動揺しない。
●機能開始1年以降の経年的な1年ごとの垂直的骨吸収は、平均0.2mm以下である。
※参考までに過去の成功基準を掲載します。
NIH ハ-バード会議(1978)
・各方向に1mm以下の動揺は許容する
・エックス線学的に観察される透過像は基準にならない
・インプラントの垂直的な高さの1/3以下の骨吸収は許容する
・治療不可能な歯肉炎、炎症および感染がない
・隣在歯には損傷がない
・知覚異常や知覚鈍麻(脱失)がない
・75 %以上の症例が5年間機能する
Albrektssonら(1986)
・検査時に、個々の連結されていないインプラントは動揺しない
・エックス線学的にインプラント周囲に透過像を認めない
・インプラント埋人後1年以降の経年的な垂直的暫吸収は0.2mm以下である
・インプラントによる持続的および非可逆的な徴候や症状(疼痛、感染、神経麻痺、知覚異常、下顎骨損傷など)がない
・上記の条件下で、 5年成功率85%が最低の成功基準とする
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