術前検査(研究用模型検査)とは
インプラントの基本知識②
【簡易説明】
インプラント治療を成功させるためには現在の状態、歯を失った原因を調べ、それを改善させる最終的な噛み合わせを獲得する必要があります。
その為にレントゲン、口腔内写真、型取りなどの検査を行っています。
【専門的視野での解説】
インプラント補綴にあたっては、治療計画を立てる前に、上下顎の研究用模型から、歯列の状態、欠損部顎堤の状態、咬合関係などを確認し、分析することが必要である。
また、欠損部だけでなく残存歯も含めた補綴治療に対する総合的な患者の希望を十分に考慮したうえで、最終補綴装置を想定して、研究用模型上に診断用ワックスアップを行う。
これは、エックス線写真による検査とともに、インプラント体の埋入位置や埋入方向、使用するインプラント体のサイズを決定するための生体学的検討を行ううえで、非常に重要な操作である。
・歯列弓の形態、欠損部、欠損部近遠心径の測定
歯列弓の形態がV字型かU字型であるか確認する。
また、欠損部近遠心径を計測する。
・咬合誘導形式の確認
顎偏心運動時にどの歯が誘導されているのかを確認する。
・挺出歯の確認
歯の挺出は欠損を放置した場合に生じ、対合歯が挺出したままの状態で上部構造を製作すると咬頭干渉や早期接触の原因となるので、挺出した対合歯や隣在歯についても、歯冠形態を修正する必要があるかどうか検討しなければならない。
・磨耗、咬耗歯の確認
咬耗の有無を検査し、咬耗状態からブラキシズムの有無を確認する。
・欠損部顎堤と対合歯とのクリアランスの計測
上下顎の垂直的顎間距離を検査する。咬耗や、不適切な歯冠補綴が原因で本来有していたと思われる垂直的顎間距離が失われている場合がある。
また、歯の挺出などにより、対合歯と欠損部顎堤との距離が短い場合がある。
インプラント補綴を行うには対合歯と欠損部顎堤とのクリアランスが5mm以上あることが望ましい。
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