抜歯即時埋入法とは

抜歯即時埋入法とは

神戸インプラントセンター歯科医師より・インプラントの基本知識⑧

簡易説明

抜歯即時埋入法とは、抜歯と同時にインプラントを埋入する術式です。


▽神戸インプラントセンター治療項目・即時埋入

▽即時負荷インプラントとは

専門的視野での解説

従来では、深い虫歯や歯周病などで問題があった歯を抜いた後、感染や炎症が消失し歯肉が治癒するのを待ってからインプラント手術を行う抜歯待時埋入という術式でした。
しかし、最近では手術侵襲と治療期間による患者様の負担を減らす目的で、抜歯即時埋入法が増えてきました。

この技術の背景には、抜歯待時と抜歯即時の予後に大きな差異はないとする科学的な臨床研究の存在があります。

抜歯待時の場合、粘膜が治癒しているので、手術後にインプラント周囲を歯肉で縫合してシールすることが容易です。
しかし抜歯即時だと抜歯によって形成された穴とインプラントの径が一致しないことの方が多い上、ほとんどの場合唇側(外側)の骨の厚みが不十分なため、口蓋側や舌側(内側)寄りに埋入することになり、軟組織で傷口を閉じることができなくなります。

このことがインプラントを感染させるリスクを高めると考えられてきましたが、実際には問題にならないという研究が報告されました。

また、根尖性歯周炎(根っこの病気)や歯周病が原因の場合は、抜歯跡に感染が残る危険性があるので、感染が完全に治癒してからインプラントを埋入しなければ危険とされていましたが、抜歯時に丁寧に感染巣を取り除けば、問題ないと報告されています。

他には、従来では抜歯の跡が治癒する前にインプラントを埋入すると、治癒の過程でのインプラント周囲の骨吸収によりインプラントが露出してしまうリスクが指摘されていました。

しかし抜歯即時埋入では、抜歯跡の骨の吸収度合いを見越して埋入することで、トラブルは回避できるとしています。

また、抜歯即時埋入は基本的には歯肉を剥離しないフラップレス手術なので、骨面を露出することが骨吸収を促進するという側面からも、歯肉を剥離しないで骨吸収を最小限に抑えられるといわれています。

こうしたメリットづくめに思える抜歯即時埋入ですが、抜歯後の骨吸収を予測する能力、抜歯の穴に誘導されずに口蓋側寄りに埋入する技術、抜歯跡の感染巣を可及的に除去する技術、インプラントで埋まらなかった抜歯後のスペースに骨補てん材を入れるか否かを判断する能力など、従来法よりも進んだ技術が要求されます。

また、歯周病が原因の抜歯では、明らかに成功率が下がることから(抜歯待時でも歯周病り患患者は成功率は下がる)、歯周病が原因の抜歯では、抜歯待時の方が成功率が高いと考えられます。

抜歯即時埋入はまだ新しい技術なので、治療成績に関する検討がまだ完全とは言えない段階ですので、全てのケースに適応できるわけではなく、状況に合わせ慎重に術式を選択することが重要です。


Dr.古谷野氏らは抜歯即時インプラントの適応と禁忌を次のように述べている。
(歯科医師・小谷野氏とは・ウィキペディア)

■適応
1.抜歯窩底から根尖側3~5mmに初期固定を求める既存骨が存在する場合
2.歯槽骨が温存された外傷歯牙
3.理想的な位置にインプラントを埋入した際に頬舌的・垂直的に十分な既存骨が存在する場合
4.保存不可能な縁下カリエスや歯根破折、もしくはパーフォレーションにより要抜去となった歯牙
5.永久歯先天欠如に伴う根吸収、根の内部吸収を引き起こした乳歯

■禁忌症
1.抜歯窩の骨欠損が大きく、初期固定が得られない場合
2.急性炎症を呈した根尖病巣が存在する場合。
3.抜歯窩根尖付近に解剖学的に重要な器官(上顎洞、下顎管など)が存在する場合

【関連ページ】

▽抜歯即時埋入法について

▽インプラントの荷重時期の分類とは

▽インプラント周囲炎について

▽インプラント周囲粘膜炎について

▽インプラント周囲病変について

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