骨補てん材料の分類について
インプラント外科知識⑪
骨造成術の材料
インプラント埋入に必要な骨量が不足している場合、骨造成が必要となるケースが多々見られます。
骨造成に用いる骨補てん材料(骨移植材料)にもいろいろと種類があるので、以下に整理してみます。
1.自家骨 Autograft
患者さん自身から採取された骨
もっとも安全で治療効果も高いが、採取された部位の手術侵襲が負担になります。
2.同種骨(他家骨) allograft
患者さん以外の人間から採取された骨。
治療効果は高いが、わずかに感染のリスクが残る。脱灰乾燥凍結骨(DFDBA)や非脱灰乾燥凍結骨(FDBA)の形態で製品化されています。
凍結乾燥処理はHIVウィルスを不活性化し、感染の確率を減少させます。
さらに脱灰処理を加える事で感染の確率はより低下します。
3.異種骨Xenograft
ウシなど人間以外の動物から採取した骨。
各メーカーとも狂牛病などの感染に対しては部位の選別・熱処理等対策を講じています。
4.人工材料 artificial bone substitutes
人工的に合成された材料で、β-リン酸三 カルシウム(β-TCP)、ハイドロキシアパタイトなどがあります。
●またこれらの骨補てん材料は、骨形成能によって機能的に分類されています。
1.骨形成性
補てん材自体が新生骨を形成する能力をもっている。
自家骨がこれにあたる。
2.骨誘導性
骨を形成する細胞を呼び集め、骨を添加する能力をもっている。
3.骨伝導性
骨を形成するための足場を提供する能力。
参考:「ぺリオインプラントセラピー Henry Takei Thomas J Han 他著」
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