インプラントの歴史について
インプラントの基本知識⑳
インプラントの幕開け
インプラント治療の歴史は古く、かなり古いところではインカ帝国時代のペルーで、エメラルドでできた歯根が、歯が抜けたところに植えられたミイラが発見されています。
また紀元前のエジプトでは象牙の歯が植えられていた人骨が見つかったりしています。
古代ギリシャでは権力者が奴隷の歯を抜いて自分の歯の抜けたところに入れていたという記述もあります。
しかしこれらのインプラントは実際に自身の歯の代わりとして、使われていたかは定かではなく、死者への装飾や副葬品、儀式などの為だけに使われていたという説もあります。
7世紀のマヤ文明の遺跡で発掘された20歳代女性の下顎骨に天然の抜けた歯2本と貝でできたインプラントが埋まっており、歯石がついていること、周囲に骨造成がエックス線検査で確認できることからかなり長期に機能していたことを示しており、世界で最初の実用に耐えたインプラントだと考えられています。
近代インプラント治療
インプラントが臨床の場に登場したのは1910年代で、1913年にグリーンフィールドが円筒型のインプラントを開発し、これが近代インプラントの祖だと言われることが多く、1930年代にはスクリュー型、1940年代にはらせん型のインプラントや、骨と粘膜の間にコバルトクロムでできたプレートを入れる、骨膜下インプラントなども考えられました。
しかしこれらのインプラントは著しく予後が悪かったと言われています。
ブローネマルク教授
インプラント治療最大のブレイクスルーと言われているのが1952年でスウェーデンのルンド大学で研究を行っていたブローネマルク教授(写真上)によって、骨とチタンが結合することが発見され、チタンがインプラント治療に応用されるようになったことです。
このチタンと骨が結合することをオッセオインテグレーションと名付けました。
ブローネマルク教授は1960年代にイエテヴォリ大学に移籍して基礎研究を続け、オッセオインテグレーションを利用したインプラントを開発しました。
そして1965年から臨床実験を始め、同時に研究も行ってきましたが、ブローネマルクは歯科医師でなく医師だったため批判的な立場の歯科医医師も多く普及には至りませんでした。
ブローネマルク教授は1982年に予後15年のデータと学術論文を発表し、歯科界にセンセーションを巻き起こし、世界中でオッセオインテグレーションインプラントが臨床の場で実際に使われるようになりました。
ブレードタイプインプラント
骨膜下インプラント
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▽インプラントとは?
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